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【設定温度の誤解?】高性能住宅と賃貸暮らしで変わる、エアコンの上手な使い方とは?
2026.07.21

こんにちは。さいたま市の工務店、パーソナルスタイル代表の石田です。

「エアコンって、つけっぱなしと、こまめに消すのはどちらがお得なの?」というご質問を、これまで数多くのお客様からいただいてきました。
まだ賃貸にお住まいの方も、すでに戸建てにお住まいの方も、高性能な住宅にお住まいの方も、悩みどころは共通しています。

この記事では、住まいの種類にかかわらず今日から使える基本の使い方に加え、高気密・高断熱の住宅ならではの考え方、賃貸でもできる工夫まで、順を追ってわかりやすくお伝えします。
ご自宅の状況に合わせて、無理のない使い方を見つけるヒントにしていただければ幸いです。

高性能住宅の明るいリビングで、エアコンが稼働するなか、ソファに座って子どもと一緒に木のおもちゃ(積み木)で楽しそうに遊ぶ3人家族の様子。

エアコンの基本を知れば、どんな住まいでも電気代は変わります

まず大切なのは、住まいの種類にかかわらず共通する「エアコンの基本」を知ることです。
ここを押さえるだけでも、電気代の感じ方はずいぶん変わってきますし、体感の心地よさにも直結します。

冷房・暖房の設定温度の考え方

環境省は、快適性を損なわない範囲で省エネルギーを目指すために、夏は室温28℃、冬は室温20℃を目安として推奨しています。
ここで注意したいのは、これはエアコンの「設定温度」ではなく、あくまで「室温」の目安だという点です。
設定温度を1℃変えるだけで、消費電力量は冷房時で約13%、暖房時で約10%変化するとされています。

季節環境省が推奨する室温の目安一般的な設定温度の目安
28℃26〜28℃
20℃20〜22℃

白い壁とエアコンをバックに、液晶画面に「冷房 設定温度26℃ 風量自動」と表示されたエアコンのリモコンを手に持っている様子。

ただし、これらはあくまで目安であり、無理に我慢して熱中症のリスクを高めてしまっては本末転倒です。
可能であれば室温計を置き、実際の温度を確認しながら、ご家族の体調に合わせて柔軟に調整することをおすすめします。

また、体感温度は湿度の影響を大きく受けます。
同じ室温でも、湿度が高いとじめじめと感じやすく、湿度が低いと涼しく感じやすくなります。
夏場は冷房と合わせて除湿(ドライ)運転を活用すると、設定温度を下げすぎなくても快適に感じやすくなる場合があります。
梅雨時期など気温はそれほど高くないのに蒸し暑さを感じる日には、冷房よりも除湿運転のほうが心地よく過ごせることもありますので、季節や体感に合わせて使い分けてみてください。

就寝時や在宅ワーク時の使い方の工夫

就寝時は、体温が下がる時間帯に合わせてタイマー機能を使うと、冷えすぎ・寒すぎを防ぎやすくなります。
また、在宅ワークなど日中在室する時間が長い日は、外出のたびに電源を切るよりも、設定温度をやや高め(夏)・低め(冬)にしたまま運転を続けるほうが、立ち上がり時の消費電力を抑えられる場合があります。
ご家族の生活リズムに合わせて、無理のない範囲で工夫してみてください。

特に共働きのご家庭では、日中不在の時間が長くなるぶん、こうした運転方法の違いが電気代の感じ方に影響しやすいといえるでしょう。

間接照明やテーブルランプが優しく灯る、漆喰壁と無垢床で仕上げられた落ち着いた雰囲気の主寝室。窓辺にはシアーな白いカーテンと大きな観葉植物が飾られています。

フィルター掃除と風向きの見直し

フィルターにほこりがたまると空気の通り道がふさがれ、エアコンの効きが悪くなります。
これは賃貸・戸建てを問わず共通する基本で、シーズン中は2週間に1回程度の掃除が目安とされています。
また、冷たい空気は下にたまりやすいため冷房時は風向きを水平〜やや上向きに、暖かい空気は上にたまりやすいため暖房時は下向きにすると、部屋全体の温度ムラを減らしやすくなります。

弊社にご相談いただくお客様の中にも、「フィルター掃除をしただけで、体感の効きが変わった」という声を多くいただきます。
特別な道具がなくても、掃除機で吸い取るだけでも効果が期待できますので、まずは手軽な方法から試してみてはいかがでしょうか。

壁に取り付けられたエアコンの前パネルを開け、中のフィルターを両手で引き出して取り外そうとしているメンテナンス時の手元の様子。

サーキュレーターや扇風機との併用

エアコンの風だけでは、部屋の隅々まで空気が届きにくいことがあります。
サーキュレーターや扇風機を併用して空気を循環させると、設定温度を変えなくても体感的な効きを高めやすくなります。
特にワンルームや縦長のリビングなど、空気がこもりやすい間取りでは効果を感じやすい方法です。

ナチュラルテイストなリビングの木製テレビボードの上で、首を振って室内の空気を循環させている白いコンパクトなサーキュレーター。

高性能住宅ならではのエアコンの使い方

高気密・高断熱の住宅では、「こまめに消す」よりも「緩やかな設定でつけたままにする」使い方のほうが、結果的に効率よく快適さを保ちやすいとされるケースが多くあります。

「こまめなON/OFF」が逆効果になりやすい理由

一般的な住宅は外気の影響を受けやすいため、人がいない時間はエアコンを消して節電する、という考え方がよく知られています。
一方、高気密・高断熱の住宅は、外の熱や冷気が室内に伝わりにくく、一度快適な室温になると、その状態が保たれやすいという特性があります。
このような住宅では、エアコンを頻繁に発停させるよりも、緩やかな設定でつけたままにしておくほうが、再稼働時の立ち上がり負荷を抑えられる場合があるとされています。

ただし、最適な使い方は断熱性能や間取り、外気温、ご家族の生活パターンによって異なりますので、ご自宅の性能値(UA値やC値など)を踏まえて検討することが望ましいでしょう。

大きな引き違いの掃き出し窓から明るい光が差し込む、無垢の床材と調湿効果のある塗り壁で仕上げられた和モダンで開放的なリビング。

実際のご相談でよくある声

弊社にご相談いただくお客様からは、「引っ越し前は夏になるたびにエアコンをこまめに消していたが、高気密・高断熱の家に住み始めてからは、緩やかな設定でつけたままにするほうが快適だと感じるようになった」というお声をいただくことがあります。
もちろん体感には個人差があり、すべてのご家庭に当てはまるわけではありませんが、住まいの性能が変わると、エアコンとの付き合い方も変わってくる、という一例として参考にしていただければと思います。

家じゅうの温度差が少ないからこそできる使い方

断熱性能が高い住宅では、リビングと廊下、脱衣所などの間で温度差が生まれにくいという特徴があります。
これは、急激な温度変化によるヒートショックのリスク軽減にもつながる大切なポイントです。
弊社では、UA値0.46W/㎡・K以下、C値0.3㎠/㎡以下を社内基準とし、実測による性能確認も行っております。
断熱等性能等級6・HEAT20 G2相当を目指した仕様としており、こうした性能の高さが、家じゅうの温度差を抑えることにつながっています。
こうした住宅では1台のエアコンで複数の部屋を含めた空間全体を穏やかに冷暖房できるケースも見られます。

ただし、効果は間取りや窓の配置、扉の開閉状況によって変わりますので、実際の使い方はご家庭の状況に合わせて調整することをおすすめします。

高い位置にある高窓(ハイサイドライト)から自然光が降り注ぐ大きな吹き抜けのリビング。奥には階段と対面式のシステムキッチンが見えています。

換気システムとの関係にも注意

高性能住宅の多くは、第一種換気などの計画換気システムを備えています。
エアコンの効率を高めるためにも、換気口をふさいだり、フィルターの目詰まりを放置したりしないよう注意が必要です。
特に梅雨時期や夏場は、換気システムのフィルターにほこりや花粉が溜まりやすくなります。
取扱説明書に記載された頻度を目安に、換気フィルターの清鎖も忘れずに行うことをおすすめします。
エアコンだけでなく換気まで含めてメンテナンスすることで、家全体の空気環境を保ちやすくなります。

スタイリッシュなダークグレーの天井に設置された、24時間換気システム用のシンプルな白いスクエア型の換気口(給気口・排気口)。

賃貸住宅でもできる、エアコン効率を上げる工夫

賃貸住宅であっても、住まいの構造そのものを変えずにできる工夫はいくつもあります。

窓まわりの対策で熱の出入りを減らす

住宅の中で熱の出入りが最も大きいのは窓だとされています。
遮熱・断熱タイプのカーテンやレースカーテンを取り入れる、市販の断熱シートや窓用フィルムを活用するなど、原状回復が可能な範囲でできる対策があります。
日差しの強い時間帯はカーテンを閉めておくだけでも、室温の上昇を抑えやすくなります。
窓の外側については、賃貸の場合は加工が難しいことも多いため、すだれやオーニングなど置き型・取り付け型のアイテムで日射を遮る方法もあります。
ベランダに設置できるタイプであれば、退去時に取り外しやすく、賃貸住宅でも取り入れやすい対策のひとつです。

築年数が経過した一般的な賃貸マンションの、アルミサッシ窓とレースカーテンが設置されたリビング。壁面にはエアコンと配管ダクトが見えています。

エアコンの設置環境を見直す

室外機の周りに物を置かない、風の通り道をふさがないようにするだけでも、冷暖房の効率は変わってきます。
また、フィルター掃除は持ち家・賃貸を問わずご自身で行える基本的なメンテナンスですので、シーズン中はこまめに行うことをおすすめします。

退去時のことも考えた対策を選ぶ

賃貸住宅では原状回復の義務があるため、壁や窓枠に直接手を加える工事は避ける必要があります。
テープで貼って剥がせるタイプの断熱シートや、置くだけで使えるサーキュレーターなど、退去時に問題になりにくい工夫を選ぶことが安心につながります。
工事を伴わずに使える便利グッズとして、スマートリモコンや温湿度センサーを活用する方法もあります。

外出先からエアコンを操作したり、設定した温度を超えたら自動でオン・オフを切り替えたりできる製品もあり、賃貸住宅でも手軽に取り入れやすい工夫のひとつです。
導入の際は、対応機種やアプリの仕様を事前にご確認ください。
判断に迷う場合は、事前に管理会社や大家さんに確認しておくと安心です。

電気代や補助金の最新情報にも目を向けておきましょう

エアコンの使い方だけでなく、電気代を左右する制度の動きも知っておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

2026年夏の電気・ガス料金支援について

経済産業省は、2026年7月・8月・9月使用分について、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる「電気・ガス料金支援」の実施を認可・承認したと発表しています(2026年6月12日付)。

値引き単価は、低圧電力・都市ガスの場合、次のとおりです。

区分7月・9月使用分8月使用分
電気(低圧)1kWhあたり3.5円1kWhあたり4.5円
都市ガス1㎥あたり14.0円1㎥あたり18.0円

2026年6月2日発行の「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」の書面。ご使用量320kWh、ご請求金額8,640円のほか、政府の支援による値引き額などが記載されています。

標準的な家庭では、3か月合計で数千円程度の負担軽減効果が見込まれるとされていますが、実際の値引き額は使用量や契約している電力会社・ガス会社によって異なります。
申請は不要で、対象となる事業者と契約している場合は、検針票や請求書に自動的に反映される仕組みとされています。

こうした電気・ガス料金の負担軽減策は、近年、夏や冬など電力使用量が増える時期に合わせて断続的に実施される傾向があります。
今後も実施の有無や内容が見直される可能性がありますので、日頃から検針票やお使いの電力会社のお知らせをチェックしておくと安心です。
契約中の料金プランを見直したり、電力会社が提供する料金シミュレーションを活用したりするのも一つの方法です。

※本記事は執筆時点(2026年7月)の情報です。制度内容や実施状況は変更される場合がありますので、最新情報は経済産業省 資源エネルギー庁の公式サイトでご確認ください。

エアコンの使い方は「我慢」ではなく「工夫」で

電気代を気にするあまり、エアコンの使用を我慢しすぎてしまうと、熱中症や体調不良のリスクが高まります。
設定温度の目安を知り、住まいの性能に合った使い方を選び、必要に応じて制度も活用しながら、無理のない範囲で快適に過ごすことが大切です。

また、エアコン以外の家電(扇風機・除湿機・断熱グッズなど)と組み合わせることで、エアコン単体に頼りすぎない過ごし方も可能になります。
ご家庭の間取りや生活スタイルに合わせて、無理のない組み合わせを見つけていただければと思います。

この記事のまとめ

エアコンの上手な使い方は、住まいの性能によって少しずつ異なります。
賃貸住宅であっても、フィルター掃除や窓まわりの工夫など、今日からできる対策はたくさんあります。
一方、高気密・高断熱の住宅では、こまめな発停よりも緩やかな設定でつけ続ける使い方のほうが、結果的に快適で効率的なケースもあります。

どちらが正解というものではなく、ご自宅の性能や間取り、暮らし方に合わせて、無理のない使い方を見つけていただくことが何より大切です。
もし「今のお住まい(賃貸先・持ち家)ではどう使うのが適切か分からない」という場合は、お気軽にご相談ください。

引用元・参照元

  • 環境省「エアコンの使い方について|家庭部門のCO2排出実態統計調査」(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/06/)
  • 環境省「COOLBIZ|COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。」(どうして「28℃」?)
  • 経済産業省 資源エネルギー庁「電気・都市ガスをご利用するみなさまへ|電気・ガス料金支援」(https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/)
  • 経済産業省「2026年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました」(https://www.meti.go.jp/press/2026/06/20260612003/20260612003.html)

よくある質問<FAQ>

Q1. 高気密・高断熱の住宅では、エアコンをつけっぱなしにしたほうが本当に電気代は安くなりますか?

A. 住宅の性能や間取り、外気温、生活パターンによって異なるため、一概には言えません。
ただし、断熱性能の高い住宅では、こまめに消して再稼働させるより、穏やかな設定で運転を続けるほうが結果的に効率が良くなるケースがあるとされています。
詳しくは、ご自宅の性能値をもとにご相談いただくと安心です。

Q2. 賃貸住宅でも、エアコンの節電はどのくらい効果がありますか?

A. フィルター掃除や適切な設定温度、窓まわりの工夫などは、住宅の種類にかかわらず一定の効果が期待できます。
ただし、断熱性能が低い住宅では効果を感じにくい場合もあります。

Q3. 環境省がすすめる「夏28℃」は、エアコンの設定温度のことですか?

A. いいえ、これは室温の目安であり、エアコン本体の設定温度とは異なります。
設定温度を28℃にしても、日当たりや気密性によって実際の室温は変わるため、室温計で確認しながら調整することをおすすめします。

Q4. 電気・ガス料金支援は、誰でも自動的に受けられますか?

A. 申請は不要で、対象となる電力会社・ガス会社と契約している場合は、使用量に応じて自動的に値引きが適用される仕組みとされています。
ただし、対象となる事業者や具体的な金額は変更される場合がありますので、契約先の案内をご確認ください。

Q5. 高性能住宅にして、エアコン1台で家じゅうを冷暖房できますか?

A. 住宅の断熱性能や間取り、窓の配置などの条件がそろえば、1台のエアコンで複数の部屋を含めた空間を穏やかに冷暖房できるケースもあります。
ただし、すべての住宅で同じように実現できるわけではないため、個別の条件に応じた検討が必要です。

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