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【削ると一生後悔!】
仕様を落とすとき、絶対に手をつけてはいけない4つの部分とは?
2026.06.16

こんにちは。さいたま市を中心に家づくりをサポートしているパーソナルスタイルの石田です。
家づくりの打ち合わせを重ねるなかで、「予算を抑えたいけれど、どこを削ればいいかわからない」というお声を、本当によく耳にします。
今日はその疑問に、できるだけ正直にお答えしたいと思います。

家づくりの打ち合わせが進むにつれ、「当初の予算より金額が膨らんできた」という状況は、多くのご家庭で起こります。
そのとき、真っ先に考えるのが「どこかの仕様を落とせないか」という判断です。

ただ、コストダウンには「削っても後悔しない部分」と「削ると長く後悔し続ける部分」があります。
この見極めを誤ると、建てた後に「あのとき我慢しなければよかった」という気持ちが残ることも少なくありません。
この記事では、20年以上の現場経験をもとに、コストダウンの正しい考え方と、できれば削ってほしくない仕様についてお伝えします。

①木製テーブル上に広げられた間取り図・見積書・電卓・ノートの俯瞰写真

なぜ「削り方」を間違えると後悔するのか

コストダウン自体は、決して悪いことではありません。
限られた予算の中で、ご家族にとって本当に大切なものを選ぶ行為とも言えます。
問題になるのは、「後で変えられるもの」と「後では変えられないもの」を区別せずに削ってしまうことです。

家は、完成した後に壁の中や基礎の中を作り直すことはできません。
見えない部分の仕様は、竣工してしまえばどれだけ後悔しても手が届かなくなります。
一方で、インテリアや設備のグレード感は、ライフステージが変わったタイミングで少しずつ変えていくことが可能なものも多くあります。

コストダウンを考えるときの基本的な問いは、「これは後から変えられるか、変えられないか」です。
この視点を軸に置だけで、判断がかなり整理されます。

「初期費用」と「住んでからの総コスト」は別で考える

よくある誤解のひとつが、「今安ければいい」という考え方です。
しかし家は、建てた後も維持費・光熱費・修繕費がかかり続けます。
建てるときに性能を下げると、毎月の光熱費が増えたり、10〜20年後に大がかりなメンテナンスが必要になったりする場合があります。

初期費用を抑えたとしても、その後長年にわたって余分なコストが積み重なれば、結果的に割高になってしまうことも。
コストダウンを検討するときは、「今の出費」だけでなく「住んでからの総コスト」を視野に入れた判断をおすすめします。

②手書きの光熱費・維持費シミュレーション表のクローズアップ写真

削ってほしくない仕様、4つの理由

長年の現場経験と、実際にお客様からいただいてきた声をもとに、「ここだけは大切にしてほしい」と感じている仕様を4つお伝えします。

①断熱・気密性能——快適さと光熱費に関わり続ける

断熱・気密性能は、「削ると毎日の暮らしのクオリティに影響し続ける」という意味で、最も慎重に考えていただきたい部分のひとつです。

断熱性能が不十分な家は、夏は暑く、冬は寒くなりやすくなります。
冷暖房を強く長く使わざるを得なくなり、光熱費が積み重なってききます。
また、部屋間の急激な温度差が健康リスクにつながるとされており、ヒートショック(急激な温度変化が循環器系に負担をかける現象)との関連が指摘されています。

③木造住宅の骨組みに現場発泡ウレタン断熱材が充填されている工事中の写真

なお、2025年4月からは改正建築物省エネ法が施行され、原則としてすべての新築住宅に対して省エネ基準への適合が義務化されています(断熱等性能等級4以上・一次エネルギー消費量等級4以上が最低基準)。
ただし、快適に暮らすためには、この義務基準をクリアすることがゴールではなく、それ以上の性能を確保することが望ましいと私たちは考えています。

弊社では、UA値(断熱性能の指標。数値が低いほど高性能)0.46以下・C値(気密性能の指標。数値が低いほど隙間が少ない)0.3以下を社内最低基準とし、全棟で実測を行っています。
数字として性能を証明することを大切にしているのは、断熱・気密がそれだけ暮らしの土台になる要素だからです。

②耐震性能——家族を守る、後からは変えられない基盤

耐震性能は、完成後に変えることが実質的にできない部分です。
「後でリフォームすればいいか」では済まない性質のものであり、ここを削ることは、家族の安全に直接かかわります。

「耐震等級3」は、住宅性能表示制度における最高等級であり、建築基準法で求められる最低限の耐震性(等級1)の1.5倍の地震力に耐えられる強さとされています。
消防署や警察署など、災害時に防災の拠点となる施設に採用されている耐震基準と同等水準とされています。

④木造住宅の柱・梁・金物が組み上がった上棟時の骨組み写真

弊社では、この耐震等級3を標準仕様とし、許容応力度計算(構造計算の中でも精度の高い手法)によって設計段階から安全性を確認しています。

「耐震等級3にすると費用がかかるから、等級1でも大丈夫では?」と思われる方もいらっしゃいます。
ただ、地震はいつ・どこで起こるかわかりません。
家族の安心を長く守るという観点から、耐震性能はできれば慎重に考えていただきたい項目です。

③構造材・地盤への対応——見えない部分ほど手を抜いてはいけない

家の骨格にあたる構造材や、土地の地盤に対する対策は、完成後に目で確認することができない部分です。
だからこそ、「見えないから多少は妥協しても大丈夫では?」という判断が起きやすく、非常に注意が必要です。

地盤が弱い土地に対して適切な補強工事を省いた場合、不同沈下(建物が傾く現象)や建物全体へのダメージが生じるリスクがあるとされています。
地盤調査の結果によっては補強が不可欠なケースもあり、この費用は省ける性質のものではありません。

⑤SWS試験機器による地盤調査の現場写真

また、構造材の品質や施工精度は、建物の耐久性に長期間にわたって影響します。
弊社では、施工中の重要な工程ごとに第三者検査機関(株式会社家守り)による現場検査を実施し、写真付きの検査報告書として記録しています。
見えなくなる部分だからこそ、記録として残すことが誠実な家づくりだと考えています。

④換気設計——空気の質が暮らしの快適さに影響する

換気は「あればいい」ではなく、「適切に設計されているかどうか」が重要です。
高断熱・高気密の住宅では外気が自然に流入しにくくなる分、機械による換気計画が暮らしの快適さと空気環境に大きく影響します。

換気設計が不十分な場合、室内の空気がこもりやすくなり、建材や家具から発生する化学物質の濃度が上がりやすくなるとされています。
また、結露が発生しやすくなり、カビの原因につながる場合もあります。
なお、建築基準法では2003年(平成15年)より、新築住宅への24時間換気設備の設置が義務付けられていますが、設備を設けるだけでなく、設計段階からの換気計画の質が重要です。

⑥天井や壁に設置された換気口・給気口のクローズアップ

弊社では第一種換気システム(給気・排気ともに機械でコントロールする方式)に全熱交換型の機器を採用しています。
エネルギーロスを抑えながら、常に新鮮な空気が循環する環境を整えることを大切にしています。

逆に、削っても後悔しにくい部分はどこか

「削ってほしくない部分」をお伝えしてきましたが、逆に「ここは柔軟に考えてもよい」という部分もあります。

後から変えられるものは「今は必要最低限」でも構わない

たとえば、照明器具や壁紙のデザイン、カーテン、家具などは、住み始めてから少しずつ自分たちらしく整えていける部分です。
住んでみてから「ここはもう少し明るい雰囲気にしたい」と思っても、対応が比較的しやすい。

外構(庭・フェンス・駐車場など)も、建物本体の予算を圧迫するようなら、引き渡し後に段階的に整えていくという選択肢があります。
すべてを最初から完璧にしなくてもよいという考え方は、予算を守るうえで有効です。

⑦白壁とオーク床の明るいリビングにシンプルな家具と観葉植物が置かれた写真

設備のグレードについては、「生活の質に直結するかどうか」で考えることをおすすめします。
毎日使うキッチンや洗面台を必要以上に下げると不満が積み重なりやすい一方、使用頻度が低い部屋の床材や建具などは、標準仕様の範囲で十分に満足できることも多いです。

「どこにお金をかけるか」を優先順位で整理する

コストダウンで大切なのは、「全体を薄く削る」のではなく「優先順位を決めて集中させる」という発想です。

たとえば、キッチンを毎日使う方にとっては、キッチンのグレードは生活の質に直結します。
一方で、書斎やホビールームなど特定の場所だけにこだわりがある場合は、リビングや寝室はシンプルにまとめることで全体のバランスが取れます。

⑧間取り図に優先順位を示す付箋が貼られた打ち合わせ中の手元写真

弊社では、打ち合わせの最初に「外せないこと」と「できれば叶えたいこと」を分けて整理するヒアリングを行っています。
ご家族にとっての優先順位を見える化することで、削るべき場所・守るべき場所が自然と明確になります。

コストダウンを進める前に確認したいこと

「総予算」で家づくり全体を把握する

コストダウンを考えるとき、見落としがちなのが「建物本体以外の費用」です。
家づくりには、建物本体工事費のほかにも、土地代・外構費・地盤改良費・各種申請費用・家具家電・引越し費用・諸経費など、さまざまな費用が含まれます。

「建物をコストダウンできた」と思っていても、想定外の付帯費用が発生して総額が変わらなかった、という事態は珍しくありません。
削る前に、総予算の全体像を工務店と一緒に確認することが先決です。

⑨若い夫婦が並んで間取り図を眺める後ろ姿、温かな自然光の打ち合わせ風景

弊社では、建物費用だけでなく、諸費用や保険費用を含めた総額を最初の段階でできる限り明確にお伝えしています。
何がいくらかかるのかを見える化することが、後悔のない判断につながると考えているからです。

「なぜその仕様なのか」を確認してから削る

見積書を見て「ここが高いから削りたい」と思ったとき、まず工務店に「なぜこの仕様を採用しているのか」を確認することをおすすめします。

たとえば、ある断熱材の採用には「施工精度が安定しやすい」「気密性との相性がよい」といった理由がある場合があります。
理由を知らずに「価格が安いものに変えられますか?」と聞くと、性能が大きく変わってしまうことがあります。

「削れるかどうか」を判断するのは、その仕様が「何のためにあるのか」を理解してからで十分です。
誠実な工務店であれば、理由を丁寧に説明し、代替案の影響も一緒に考えてくれるはずです。

⑩建物本体・外構・諸費用などが記載された資金計画書の俯瞰写真

本記事のまとめ

コストダウンは、家づくりにおける「選択」の積み重ねです。
ただし、すべての選択が同じ重さではありません。

特に慎重に考えていただきたい仕様は、以下の4点です。

●断熱・気密性能(毎日の快適さと光熱費に長期間影響する)

●耐震性能(家族の安全に関わり、完成後には変えることが難しい)

●構造・地盤への対応(見えない部分だからこそ、適切な対応が欠かせない)

●換気設計(空気環境の質が暮らしの快適さに影響する)

これらは、建てた後に後悔しても取り返しがつきにくい部分です。
一方で、照明・外構・設備グレードなど後から対応できるものは、優先順位をつけながら段階的に整えていくという発想も有効です。

「何を大切にして、何は後回しにできるか」。
この整理をご夫婦で話し合い、工務店と一緒に確認していくことが、後悔しない家づくりへの近道だと思っています。
もしコストダウンについて迷っていることや、仕様の優先順位について相談したいことがあれば、個別にじっくりお話を聞かせていただきますので、お気軽にご連絡ください。

パーソナルスタイルの施工エリアについて

パーソナルスタイルでは、さいたま市・川口市・蕨市・越谷市・春日部市・上尾市・北本市・八潮市を中心に、家づくりのご相談を承っています。
事務所から車で1時間圏内を主な施工エリアとしており、上記以外のエリアにお住まいの方も、まずは一度お気軽にご相談ください。

「コストと仕様のバランス、どう考えればいいか迷っている」という段階からでも、もちろんご相談いただけます。
まずは情報収集からで構いません。
家づくりセミナーや個別相談、完成見学会など、気軽に参加できる機会もご用意しています。

引用元・参照元

・国土交通省「建築物省エネ法の概要(省エネ基準適合義務化)」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000220.html

・国土交通省「長期優良住宅の認定制度」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html

・国土交通省「改正建築基準法に基づくシックハウス対策の概要」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/sickhouse.files/sickhouse_1.pdf

・住宅性能表示制度(品確法)に基づく耐震等級の説明
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000044.html

※本記事は2025年5月時点の情報をもとに作成しています。建築基準法・省エネ基準・補助金制度などの内容は変更される場合があります。最新情報は国土交通省などの公式サイトや担当窓口でご確認ください。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 断熱性能を少し下げてもそこまで変わらないのでは?

A. 実際の暮らしには、じわじわと影響が出てくる場合があります。断熱性能が不十分だと冷暖房の稼働時間が長くなりやすく、毎月の光熱費として積み重なっていきます。また、部屋間の温度差が大きくなることで、生活の快適さに影響することも。建てた後には変えにくい部分のため、「少しくらいなら」という判断はなるべく避けていただくことをおすすめしています。個別の性能の影響については、担当者にご相談ください。

Q2. 耐震等級3は必須ですか?等級1との違いは?

A. 耐震等級1は建築基準法の最低基準です。等級3は住宅性能表示制度における最高等級であり、等級1の1.5倍の地震力に耐えられる強さとされています。消防署や警察署など、防災拠点となる施設と同等水準とされており、地震に対する備えは完成後に変えることが難しい部分です。新築時にどの等級を選ぶかは、設計条件や予算とのバランスにもよりますので、詳しくはご相談ください。

Q3. コストダウンを相談すると、工務店に嫌がられませんか?

A. 誠実な工務店であれば、コストダウンの相談は歓迎しています。「削れる部分」と「削れない部分」を正直に説明し、ご家族の優先順位に合わせた提案をするのが工務店の役割のひとつだからです。むしろ、コストダウンの相談をせずに予算オーバーのまま進めてしまうほうが、後々のトラブルや後悔につながりやすいと感じています。

Q4. 外構は後回しにしても大丈夫ですか?

A. 多くのケースで、引き渡し後に整えることは可能です。ただし、駐車スペースの舗装や排水処理など、生活上すぐに必要になるものは最低限確保しておいた方がよい場合もあります。何を後回しにできるか、何を先に整えるべきかは、土地の状況や生活スタイルによって変わりますので、担当者と事前に確認することをおすすめします。

Q5. 「仕様を削る」以外のコストダウン方法はありますか?

A. あります。たとえば、建物の形状をシンプルにする(凹凸を減らす、総二階にする)と、外壁面積や屋根形状の複雑さが抑えられ、材料費と施工費を下げやすくなります。また、間取りのムダなスペースを整理することで延床面積を抑えることも有効です。「仕様を下げる」よりも「設計を工夫する」方向でコストダウンを図る方が、性能や満足度を維持しやすい場合も多くあります。ぜひ担当者にご相談ください。

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