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【転職直後のローン】「勤続1年未満」でも審査は通る?転職組が知っておくべき銀行の基準
2026.08.18

こんにちは。さいたま市で注文住宅やリノベーションを手掛ける工務店、パーソナルスタイル代表の石田茂城です。

住宅ローンの打ち合わせを進める中で、よくいただくのが「転職したばかりなのですが、やっぱりローンって厳しくなりますよね…?」というご相談です。

キャリアアップやご家族の環境変化に合わせて転職するタイミングと、家づくりを考え始める時期が重なるのはごく自然なことです。
ただ、「勤続3年以上ないと無理」という昔からのイメージもあって、「数年間は家づくりを我慢するしかないのかも」と諦めかけているご夫婦も少なくありません。

ですが、勤続年数が1年未満であっても、住宅ローンの選択肢がすべて閉ざされるわけではありません。
同業種へのステップアップといった前向きな理由を考慮してくれる銀行もありますし、【フラット35】のように勤続年数を問わないローンも存在します。

今回は、転職直後の審査で銀行が見ているポイントや、審査に通りやすくするための事前準備について整理しました。
「自分たちの場合はどうなんだろう」とお悩みのご夫婦は、ぜひひとつの判断材料として参考にしてみてください。

ナチュラルテイストの明るいダイニングキッチンで、ノートパソコンと書類を見ながら家づくりの資金計画やプランについて相談する夫婦。

なぜ住宅ローン審査で「勤続年数」が重視されるのか

住宅ローンは、数十年という長い期間にわたって返済が続く借り入れです。
金融機関がまず確認したいのは、「これから先も安定して返済を続けられるかどうか」という点であり、勤続年数はその安定性を推し量るための一つの目安として扱われています。

同じ会社に長く勤めている場合、今後も継続して収入を得られる可能性が高いと判断されやすくなります。
一方で、転職したばかりの場合は、新しい勤務先での収入実績がまだ十分に積み上がっていないため、慎重に見極められる傾向があります。
実際、「同一の勤務先に満1年以上勤務していること」を利用条件として設けている金融機関も少なくありません。

グレーの外壁に木目調のアクセントウォールが映えるモダンな住宅の玄関アプローチ。黒いアイアンのフレームと植栽、ビルトインガレージが配置されています。

ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、すべての金融機関が同じ基準を採用しているわけではない点も知っておいていただきたいところです。
近年は勤続年数を明確な条件にしていない金融機関や商品も増えており、年収や返済負担率、雇用形態、これまでの信用情報などを含めた総合的な判断がされることが多くなっています。
「勤続年数が短い=審査に通らない」と思い込みすぎず、他の項目とあわせて確認していく視点を持つことが大切です。

また、審査で確認される項目は、勤続年数だけではありません。
国土交通省が毎年実施している「民間住宅ローンの実態に関する調査」の最新版(令和7年度調査、令和8年3月公表)によると、融資審査の際に「勤続年数」を審査項目としている金融機関は全体の93.9%にのぼり、「完済時年齢」(98.4%)「健康状態」(96.1%)「年収」(94.2%)「返済負担率」(90.9%)「担保評価」(91.0%)などと並んで、多くの金融機関が考慮する項目の一つとなっています。
つまり、勤続年数は重要な確認項目である一方、それ単体で合否が決まるわけではなく、複数の項目とあわせて総合的に判断されているということです。

同じ調査では、勤続年数について具体的な基準を設けている金融機関のうち、最も回答が多かったのは「1年以上」で、「3年以上」を求める金融機関は一部にとどまっていることも分かっています。
金融機関ごとに運用は異なりますので、実際の申し込みにあたっては、個別に確認しておくと安心です。

明るいオフィスでノートパソコンを開き、真剣な表情で書類の内容を確認しているスーツ姿の男性。住宅ローン審査や設計業務を連想させる様子。

勤続1年未満でも通りやすいケース・慎重になりやすいケース

転職の理由や転職先での状況によっては、勤続年数が短くても前向きに評価されるケースがあります。
一方で、慎重な判断となりやすいケースもあるため、両方を知っておくと、ご自身の状況を整理しやすくなります。

比較的、前向きに評価されやすいといわれているのは、次のようなケースです。

  • グループ会社や関連会社への転籍:会社都合による転籍は「転職」とみなされず、前職の勤続年数と合算して考慮される場合があるとされています。
  • 同業種・同業界でのキャリアアップ転職:これまでの経験やスキルを活かした転職で、年収が上がっている場合は、収入の継続性の面で前向きに評価されやすい傾向があるといわれています。
  • 資格を活かした転職(医師・税理士などの士業):専門性や収入の安定性が背景にあるため、勤続年数にかかわらず前向きに評価される可能性があるといわれています。

銀行の相談窓口で、担当者から提示された書類を見ながら住宅ローンの説明を受けている夫婦。資金計画の相談風景。

一方で、慎重な判断となりやすいといわれているのは、次のようなケースです。

  • 短期間での転職を繰り返している場合:収入の安定性や継続性を判断しにくいとみなされることがあります。
  • 未経験の業種・職種へ転職し、年収が大きく下がった場合:返済負担率が上がることに加え、収入の継続性への懸念が生じやすくなります。
  • 試用期間中や、雇用形態が正社員以外(契約社員・派遣など)に変わった場合:勤務の継続性を確認しづらいとされ、追加の確認や書類を求められることがあります。

木目調のテーブルの上で、通帳を確認しながら電卓を叩き、ノートに家計簿を記入して家づくりのための資金管理をしている手元。

私たちが個別相談の中でよくお伺いするのが、「転職したことを伝えると審査に不利になるのでは」というご不安です。
しかし、正しい情報を伝えずに進めてしまうと、審査の途中や融資実行の直前で状況が食い違い、かえって手続きが長引いてしまうこともあります。
転職の理由が前向きなキャリアアップであれば、むしろ丁寧に説明することでプラスに評価される可能性もありますので、隠すことよりも、正確に伝えることを優先していただければと思います。

「自分たちは大丈夫だろう」と自己判断するのではなく、転職の経緯や今後の見通しを含めて、金融機関や住宅会社へ早い段階で率直に伝えておくことをおすすめします。
評価は個々の状況によって大きく異なりますので、この記事の内容がすべてのケースにそのまま当てはまるとは限らない点にも、あらかじめご留意ください。

「見込所得」とは?転職者に求められる書類と申し込み時の注意点

転職して1年未満の場合、直近1年分の源泉徴収票がまだ揃わないため、多くの金融機関では「見込所得」という考え方を使って年収を算出し、審査を行うとされています。

見込所得の考え方と必要書類

見込所得とは、転職先での月収などをもとに、1年間働いた場合の年収を見込みで計算したものです。
前職より収入が上がっていたとしても、実績としての証明がまだできないため、希望していた借入額どおりの審査結果にならないケースもある、という点は理解しておきたいところです。

テーブルの上で給与支給明細書を確認しながら、ノートパソコンの電卓アプリを使って住宅購入に向けた予算や資金計画の計算をしている手元。

転職者の場合、通常よりも提出書類が増える傾向があります。
目安を表に整理しました。

状況主な追加書類の例
転職して1年未満雇用契約書・採用通知書、転職後の給与明細
転籍・グループ会社への異動転籍辞令、前職の在籍が分かる書類
士業・資格職での転職資格を証明する書類、業務委託契約書 など

※必要書類は金融機関や個々の状況によって異なります。事前に確認しておくと安心です。

木目調のテーブルに並べられた、「住まい」や「ライフプラン」などのインデックスが付いた書類と実印。家づくりの契約や資金計画の打ち合わせを連想させる様子。

もう一つ注意しておきたいのが、審査は申込時点の情報をもとに行われるという点です。
事前審査や本審査が承認されたあとに転職してしまうと、あらためて再審査となり、結果が変わってしまう可能性があります。
マイホーム計画を進めている最中に転職を控えている方は、早めに金融機関や住宅会社へ相談しておくことが、後々のトラブルを防ぐポイントになります。

フラット35という選択肢

住宅金融支援機構の【フラット35】は、公式サイトで示されている申込要件が「申込時の年齢が満70歳未満であること」「日本国籍であること(永住許可を受けている方、特別永住者を含む)」を中心としており、勤続年数を明確な条件として掲げていない点が特徴のひとつです。
転職して間もない方でも、給与明細などで収入を確認できれば審査の対象になり得るとされています。

ただし、勤続年数の条件がないからといって、審査が誰にでも一律に通るわけではありません。
年収に占める年間返済額の割合を示す「返済負担率」については、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下という基準が設けられており、この基準を満たす必要があります。

また、購入する住宅が住宅金融支援機構の定める技術基準に適合していることを示す「適合証明書」の取得も必要です。
転職直後で他の金融機関の商品を組みにくい場合の選択肢のひとつとして、検討する価値はあるといえるでしょう。

グレーの塗り壁調の外壁と黒いサッシがスタイリッシュな、モダンデザインの住宅外観。手前にはコンクリート打ちっ放しの駐車スペースとテラスが設けられています。

なお、住宅ローンには大きく分けて「変動金利型」「固定期間選択型」「全期間固定金利型」があり、それぞれ金利の決まり方や将来の返済額の見通しやすさが異なります。
転職直後で収入がまだ安定していない時期は、返済額が変わりにくい固定金利型を選ぶことで、家計の見通しを立てやすくなるという考え方もあります。

どのタイプが合うかはご家庭の状況によって異なりますので、複数の金融機関やタイプを比較しながら検討することをおすすめします。
フラット35のような選択肢も含めて、早い段階でいくつかの金融機関に相談し、比較検討しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

転職とマイホーム、タイミングをどう考えればいいか

「転職前に住宅ローンを組む」か、「転職後、勤続年数を積んでから組む」か。この問いに、唯一の正解はありません。
ご家族の状況によって、無理のないタイミングは変わってきます。

さいたま市エリアでご相談をお受けしていると、「今のタイミングで家を建てたいけれど、実は転職も考えている」というご夫婦に出会うことがあります。
そうしたときは、転職の理由やタイミング、転職先でのおおよその収入の見通しなどを丁寧にお伺いしたうえで、資金計画のご相談とあわせて情報を整理していただくようにしています。
転職と住宅購入、どちらも人生の大きな節目だからこそ、片方だけを切り離して考えるのではなく、全体を見ながら順序を検討することが大切だと感じています。

木目調のテーブルに広げられた住宅の平面図を指差し、間取りについて相談しながら家づくりのプランを検討している男女の手元。

実際の相談の場では、「転職後すぐに動きたい」というご希望と、「まずは勤続年数を積んでからのほうが安心」というご希望と、どちらのケースもあります。
前者であれば、勤続年数を条件にしていない住宅ローンや、見込所得での審査を前提とした資金計画をご提案することもありますし、後者であれば、土地探しや間取りのご相談を先に進めながら、勤続年数が一定期間に達したタイミングで住宅ローンの申し込みに進むという進め方をご提案することもあります。
どちらが正解ということではなく、ご家族の希望とリスクの許容度に合わせて、無理のない道筋を一緒に考えていくことが大切だと感じています。

家づくりは、住宅ローンの審査結果だけで判断されるものではなく、将来の暮らし方や収入の見通し全体を含めて考えるべきテーマだと、私たちパーソナルスタイルは考えています。
そのため資金計画のご相談では、住宅ローンの内容だけでなく、教育費や生活費といった将来的な支出も含めて、無理のない計画をご家族と一緒に整理させていただいています。

住宅ローンの金利や各金融機関の基準は、時期によって変わる可能性があります。
実際にご検討される際は、最新の情報をあらためて金融機関や専門家に確認していただくことをおすすめします。
焦って一つに決めるのではなく、複数の選択肢を比較しながら、ご家族にとって納得できるタイミングを見つけていただければと思います。
私たちも、住宅資金セミナーや個別相談の中で、住宅ローンの基礎知識から金融機関ごとの傾向まで、できる限り分かりやすくお伝えするようにしています。

無垢材の家具が置かれたナチュラルテイストのリビングで、ソファに座りリラックスした表情で窓の外の景色を眺める夫婦。

この記事のまとめ

勤続年数は、住宅ローン審査における一つの目安ではありますが、それだけですべてが決まるわけではありません。
転職の理由や転職先での状況、収入の見通しなどをあわせて確認しておくことで、ご自身に合った選択肢を見つけやすくなります。

  • ・勤続年数は「返済の安定性」を測る目安のひとつであり、絶対条件ではない
  • ・転籍やキャリアアップ転職、資格職での転職は、比較的前向きに評価されやすいといわれている
  • ・転職1年未満は「見込所得」で審査されることが多く、必要書類も増える傾向がある
  • ・【フラット35】など、勤続年数を条件にしていない商品も選択肢になり得る
  • ・審査後に転職すると再審査になる場合があるため、早めの相談が安心につながる

「今の状況で家づくりを進めていいのか」と迷ったときこそ、一人で抱え込まず、早めに情報を整理してみることが、後悔のない判断につながります。
ご自身やご家族の状況を踏まえながら、無理のないタイミングを見つけていただければと思います。

※本記事には、内容理解を助ける目的で一部AI生成画像を使用しています。

引用元・参照元

  • ・三菱UFJ銀行「住宅ローンは転職後でも組める?勤続年数が審査に与える影響を解説」(2026年5月12日)
    https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/column/029/index.html
  • ・国土交通省 住宅局「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(令和8年3月公表)
    https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001991057.pdf
  • ・独立行政法人 住宅金融支援機構【フラット35】公式サイト「ご利用条件」
    https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions.html
  • ・独立行政法人 住宅金融支援機構【フラット35】公式サイト「フラット35パッケージ」(勤続年数等による申込要件の扱いについて)
    https://www.flat35.com/loan/plan/package.html

※本記事は執筆時点(2026年8月1日)の情報です。制度や金利、金融機関ごとの審査基準などは変更される場合がありますので、実際のお申し込みの際は、最新情報を各金融機関や住宅金融支援機構の公式サイト等でご確認ください。

よくある質問<FAQ>

Q1. 転職したばかりですが、住宅ローンの相談だけでもできますか?

A. もちろん大丈夫です。
転職の時期や状況によって進め方は変わってきますので、まずは現在の状況をお聞かせいただき、一緒に整理するところから始めていただければと思います。
情報収集の段階でのご相談も歓迎しています。

Q2. 勤続1年未満だと、住宅ローンはまったく組めないのでしょうか?

A. そうとは限りません。
金融機関によって基準は異なり、勤続年数を条件にしていない商品もあります。
ただし、希望どおりの借入額にならない場合もあるため、事前にいくつかの選択肢を比較しておくと安心です。

Q3. 転職前と転職後、どちらのタイミングで住宅ローンを申し込むほうがいいですか?

A. ご家庭の状況によって異なりますので、一概にはお答えしにくい部分です。
転職の理由や見込まれる収入の変化などを踏まえて、資金計画とあわせて検討していただくことをおすすめします。

Q4. 住宅ローンの審査中に転職してもいいのでしょうか?

A. 審査は申込時点の情報をもとに行われるため、承認後に転職すると再審査になる場合があります。
転職の予定がある方は、事前に金融機関へ相談しておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。

Q5. フラット35以外にも、転職者向けの住宅ローンはありますか?

A. 金融機関によって基準はさまざまで、勤続年数を重視しない商品も増えてきています。
ご自身の状況に合った商品は一つとは限りませんので、複数を比較しながら検討していただくと選びやすくなります。

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