こんにちは。さいたま市で注文住宅やリノベーションを手掛ける工務店、パーソナルスタイル代表の石田茂城です。
「土地が思ったより狭くて、3階建てになりそうなんです」というご相談を、私たちは日々多くいただいています。
特にさいたま市周辺は、駅から近い便利なエリアほど土地が細長かったり、面積が限られていたりすることが少なくありません。
そのため、家づくりを検討し始めた段階で、2階建てを希望していたはずが、いつの間にか3階建ても視野に入れなければならなくなった、というご夫婦にもよくお会いします。
3階建てと聞くと、階段の負担や暮らしにくさ、費用面への不安を感じる方が多いのも事実です。
しかし実際には、狭小地だからこそ3階建てが持つ利点も少なくありません。
この記事では、狭小地における2階建てと3階建ての違い、それぞれのメリット・注意点、そして後悔しないための考え方を、住宅営業の現場での実務経験を交えながら分かりやすくお伝えします。
読み終える頃には、3階建てという選択肢も、前向きに検討できるようになっているはずです。

狭小地では、なぜ3階建てが選択肢に入ってくるのか
さいたま市・川口市・蕨市など、私たちが施工エリアとしている都市部は、土地の価格が高く、区画も比較的コンパクトな傾向があります。
そのため、希望する延床面積を確保しようとすると、建物を横に広げるのではなく、上に伸ばすという発想が自然に出てきます。
これが、狭小地で3階建てが選択肢に入りやすい理由です。

土地には建ぺい率・容積率という制限があり、同じ土地でも「1階あたりどれくらいの面積を建てられるか」「延床でどれくらいの面積を確保できるか」があらかじめ決まっています。
建ぺい率が厳しいエリアでは、2階建てのままでは十分な広さを確保しにくく、結果として3階建てを検討することになるケースが多く見られます。
また、都市部では隣家との距離が近いことも珍しくありません。
2階建てでは1階部分の日当たりやプライバシーが確保しにくい土地でも、3階建てにしてLDKを上層階に配置することで、光や視線の課題が解決しやすくなる場合があります。

実際のご相談の中でも、希望する延床面積に対して、予算内で購入できる土地の面積が十分に確保できないというお悩みをお聞きすることは少なくありません。
このような場合、2階建てのまま面積を確保しようとすると、建ぺい率の上限まで建物を広げても足りず、結果として希望の間取りを諦めざるを得なくなることもあります。
3階建てという選択肢を早い段階で視野に入れておくことで、こうした行き詰まりを避けやすくなります。
ただし、建てられる階数や高さには、斜線制限や高さ制限、道路との関係など、土地ごとの法規制が関わってきます。
「この土地なら3階建てが可能か」「延床でどれくらい確保できるか」は、個別の条件によって異なりますので、土地を検討する段階で建築の専門家に確認することが大切です。
3階建てだからこそ叶えやすい、暮らしのメリット
3階建ては「仕方なく選ぶもの」ではなく、狭小地だからこそ活きる、前向きな選択肢でもあります。
まず費用面です。
同じ延床面積を確保する場合、広い土地を購入するよりも、コンパクトな土地に3階建てを建てる方が、土地取得費を抑えられる可能性があります。
土地代が高いエリアほど、この差は大きくなりやすい傾向があります。
ただし、3階建ては構造や施工の面で2階建てより費用がかかる部分もあるため、土地代・建築費の両方を含めた総額で比較することが重要です。
次にプライバシーの面です。
1階部分は道路や隣家からの視線が入りやすい位置にありますが、2階・3階と高くなるほど、外からの視線は届きにくくなります。
LDKや水まわりを上層階に配置し、寝室や子ども部屋を下層階にまとめるなど、階ごとに役割を分けることで、家族がのびのびと過ごせる空間をつくりやすくなります。

さらに、3階建ては眺望や採光の面でも利点があります。
周囲の建物より一段高い位置にリビングを設けることで、隣家に遮られにくい光を取り込める場合があります。
私たちは敷地ごとに日照シミュレーションを行い、隣家や建物の影響を確認したうえでプランニングを進めていますが、1階部分では日当たりが確保しにくい土地でも、LDKを上層階に配置することで光を取り込みやすくなるケースは珍しくありません。
もちろん、効果は土地の形状や周辺環境によって異なりますので、事前のシミュレーションで確認しておくと安心です。

このほか、3階部分に趣味のスペースや書斎、在宅ワーク用の個室を設けるなど、階ごとに用途を分けやすい点も3階建ての特徴です。
1階を土間収納や水まわり中心の「生活の基盤」とし、2階をLDK、3階を個室や趣味の空間とするなど、階でメリハリをつけた間取りは、共働き世帯からも人気があります。


| 項目 | 2階建て | 3階建て |
|---|---|---|
| 土地取得費 | 広めの土地が必要になりやすい | コンパクトな土地でも延床を確保しやすい |
| 上下移動 | 比較的少ない | 増える傾向がある |
| プライバシー・採光 | 土地条件に左右されやすい | 上層階活用で確保しやすい場合がある |
| 構造・施工 | 比較的シンプル | 構造計算など検討事項が増える |
階段の負担は、工夫と考え方次第で変わる
3階建てを検討する際、多くのご夫婦が気にされるのが「階段の上り下り」です。
たしかに2階建てに比べると移動は増えますが、負担ばかりではない側面もあります。
日々の階段の上り下りは、軽い運動を暮らしの中に自然に取り入れる機会になると言われることもあります。
エレベーターやエスカレーターに頼らず体を動かす習慣は、健康を意識するきっかけになったというお声を、実際にOB施主様からいただくこともあります。
ただし、感じ方には個人差があり、体力や年齢、将来のライフステージによっても捉え方は変わってきますので、「誰にとっても良い」と言い切れるものではなく、ご家庭ごとに考え方を整理しておくことが大切です。
設計の工夫によって、階段の負担そのものを軽くすることもできます。
たとえば、手すりの設置や、踏み面・蹴上げの寸法を歩きやすく調整すること、階段まわりに適切な明るさを確保することなどです。
また、階段の一角に小さな腰かけスペースを設けたり、収納を各階に分散させて「わざわざ別の階まで取りに行く」手間を減らしたりする工夫も、日々の暮らしやすさにつながります。
将来的にホームエレベーターの設置を想定した下地を準備しておくことも、長い目で見た安心材料になります。

住宅の構造に関するルールも、2025年4月に大きく見直されました。
今回の改正で中心となったのは、実は2階建ての木造住宅です。
これまで、2階建て以下の木造一戸建て住宅の多くは「4号建築物」という区分に該当し、建築確認の際に構造関係の審査を省略できる、いわゆる「4号特例」が使われてきました。
2025年4月の改正により、こうした住宅の多くが「新2号建築物」に区分され、構造や省エネに関する図書の提出が新たに必要になっています。
一方、3階建ての木造住宅は、この改正より前から「4号特例」の対象外であり、建築確認の際に構造計算(許容応力度計算など)を行うことが求められてきました。
2025年の改正では、3階建てで高さ16メートル以下の木造建築物について、構造計算の方法がより実情に即した内容へ整理される点も盛り込まれています。
つまり、3階建てだからといって今回の改正で新たに規制が厳しくなったというよりも、もともと構造計算を伴う住まいであり、その計算方法が見直された、と捉えていただくのが正確です。
パーソナルスタイルでは、法改正の前から、2階建て・3階建てを問わず全棟で許容応力度計算を実施し、耐震等級3を標準としてきました。
そのため、今回の法改正が求める内容についても、これまでの取り組みの延長線上で対応できています。
3階建てだからこそ、構造の裏付けがある住まいづくりを選んでいただくことが、安心につながります。

土地を探す前に、住宅会社へ相談しておきたい理由
2階建てにするか3階建てにするかは、実は「土地を決める前」に考え始めることが理想です。
土地の形状、法規制、周辺環境によって、建てられる建物のボリュームは大きく変わるためです。
よくあるのが、「気に入った土地を先に契約したものの、希望していた延床面積や間取りが実現できなかった」というケースです。
斜線制限や高さ制限、前面道路の幅員などは、素人目には分かりにくい要素ですが、建築の視点を踏まえて確認することで、こうした行き違いを防ぎやすくなります。
特に3階建てを検討する場合は、道路斜線や北側斜線の影響を受けやすく、「図面上は3階建てが可能でも、実際には希望の高さや形が確保できない」というケースも見られますので、早めの確認が安心につながります。
パーソナルスタイルでは、土地探しから設計・施工・アフターサポートまでを一貫してサポートしており、土地情報一括管理システム「土地バンク」を活用しながら、建築的な視点を踏まえた土地選びをお手伝いしています。
「この土地なら、2階建てと3階建て、どちらが暮らしやすいか」「延床でどれくらい確保できそうか」といった相談も、土地契約前の段階からお受けしています。
不動産の情報と建築の視点を合わせて確認することで、契約後に「こんなはずではなかった」と感じるリスクを減らせます。

土地選びは家づくりの出発点であると同時に、最も判断が難しい工程でもあります。
だからこそ、まずは情報収集の一環として、住宅会社に相談してみることをおすすめします。
この記事のまとめ
狭小地における2階建てと3階建ての選択は、どちらが優れているというものではなく、土地条件やご家族の暮らし方に合わせて考えるべきテーマです。
「3階建て=不便」と決めつけずに、費用・プライバシー・採光・階段への向き合い方といった複数の視点から、ご夫婦にとって心地よい暮らし方を探っていただければと思います。
- ・都市部の狭小地では、建ぺい率・容積率の制約から3階建てが選択肢に入りやすい
- ・3階建てには、土地取得費の抑制やプライバシー確保といった前向きな利点もある
- ・階段の負担は工夫次第で軽減でき、日々の運動習慣として捉える視点もある
- ・3階建て木造住宅はもともと構造計算を伴う区分であり、2025年の法改正内容を正しく理解しておくと安心につながる
- ・建物のボリュームは土地条件で大きく変わるため、土地契約前の相談が望ましい
2階建てか3階建てか、迷ったときはご夫婦だけで判断を急がず、まずは土地の条件と暮らし方の希望を整理してみてください。
その上で、建築の視点を交えた相談をすることで、納得感のある選択がしやすくなります。
※本記事には、内容理解を助ける目的で一部AI生成画像を使用しています。
※本記事は執筆時点(2026年8月)の情報です。制度の詳細や運用は変更される場合がありますので、具体的な建築計画の際は最新の公的情報をご確認ください。
引用元・参照元
- ・国土交通省「住宅:令和4年改正 建築基準法について」:
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kenchikukijunhou.html - ・国土交通省「建築基準法・建築物省エネ法 改正法制度説明資料」:
https://www.mlit.go.jp/common/001627103.pdf - ・国土交通省「住宅:R4年建築基準法・建築物省エネ法等改正 新旧対照条文等」:
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kihonjouhou.html
よくある質問<FAQ>
Q1. 3階建てにすると、生活動線が複雑になって不便になりませんか?
A. 階が増えることで移動が発生するのは事実ですが、キッチン・洗面・浴室といった水まわりを同じ階にまとめたり、収納を各階に分散させたりすることで、日々の動きを短くする工夫は可能です。
間取りの段階でしっかり相談していただければ、暮らしやすさは十分に整えられますので、まずは気になる点をお聞かせください。
Q2. 将来、体力的に階段が負担になったらどうしたらいいですか?
A. 多くの場合、設計段階から手すりの位置や階段の勾配を工夫することで負担を軽減できます。
また、将来的にホームエレベーターを設置できるよう、あらかじめスペースや下地を準備しておくことも一つの方法です。
今すぐ不安を解消しようとせず、将来の選択肢を残しておくという考え方も安心につながります。
Q3. 3階建ては建築費用が高くなりますか?
A. 構造や施工の面で2階建てより費用がかかる部分はありますが、土地取得費を抑えられる可能性もあるため、総額で見ると必ずしも割高になるとは限りません。
ご家庭の予算や希望条件によって最適な選択は異なりますので、土地代・建築費を合わせたトータルでの比較をおすすめします。
Q4. すべての土地で3階建てが建てられるわけではないと聞きました。本当ですか?
A. その通りです。
高さ制限や斜線制限など、土地ごとに異なる法規制があり、希望する建物の階数やボリュームが実現できるかは、個別に確認が必要です。
土地を契約する前に、建築的な視点から確認しておくことで、後から「建てられなかった」という行き違いを防ぎやすくなります。
Q5. 土地がまだ決まっていない段階でも、住宅会社に相談していいのでしょうか?
A. もちろん大丈夫です。
むしろ、土地が決まる前の段階でご相談いただく方が、建築的な視点を踏まえた土地選びがしやすくなります。
まずは情報収集のつもりで、お気軽にお声かけください。
パーソナルスタイルの施工エリアについて
パーソナルスタイルでは、さいたま市・川口市・蕨市・越谷市・春日部市・上尾市・北本市・八潮市を中心に、家づくりのご相談を承っています。
事務所から車で1時間圏内を主な施工エリアとしておりますので、上記エリア以外の方も、まずは一度お気軽にご相談ください。
ご相談・お問い合わせについて
2階建てにするか3階建てにするか、まだ答えが出ていなくても問題ありません。
まずは土地の条件や暮らしの希望を整理するところから、私たちと一緒に考えてみませんか。
家づくり勉強会や個別相談では、土地探しの前に押さえておきたい視点についても丁寧にお話ししています。
気になる点があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。






