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【耐震等級3でも油断できない?】断熱と気密が家の構造を長期間守る、知られていない理由とは?
2026.05.19

いつもブログを閲覧いただき、誠にありがとうございます!
パーソナルスタイルの石田です。

新築時に耐震等級3を取得した住宅であっても、その性能が何十年後も変わらず維持されているかどうかは、建てた時点の数値だけでは判断できません。等級は「その時点における構造の強さ」を示す指標であり、住み続ける中で構造材が劣化すれば、性能も変化する可能性があります。

家づくりの相談を受ける中で、「耐震等級3を取ればひとまず安心」と考えているご夫婦は少なくありません。その認識は間違いではありませんが、性能を維持し続けるための条件についてはあまり知られていないのが実情です。

この記事では、断熱・気密と耐震性がどのようにつながっているのかを、専門用語をできる限り平易にしながら整理します。

高気密・高断熱住宅の施工現場において、壁一面に隙間なく施工されたウルト(WÜRTH)社の気密バリアシートと断熱材

この記事でわかること

・断熱・気密の不足が耐震性に影響する理由

・「内部結露」が構造材を傷める仕組み

・床下の腐朽が倒壊リスクを高める可能性

・断熱と気密を正確に施工することの意味

・長く安心して住み続けるための管理の考え方

耐震等級3でも倒壊リスクが生じる、見えない理由とは

住宅の設計図面を広げ、鉛筆を手に細部を確認・修正しながら打ち合わせを進める設計士の手元

耐震等級3は、住宅性能表示制度が定める最高水準の耐震性能です。国土交通省と建築研究所が公表した「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書(2016年9月)においても、耐震等級3を取得した住宅はほぼ無被害であったことが確認されています。等級3の取得が、地震に対する有効な備えであることは、この調査結果からも読み取れます。

ただし、一点確認しておくべきことがあります。

耐震等級3は、建設時点の構造の強さを評価した数値です。木造住宅は、時間の経過とともに素材が変化します。その変化を大きく左右するのが「湿気」です。木材は水分を長期間含むと腐朽し、強度が低下します。柱や土台といった家の骨格を支える部材が腐朽すると、建設時に評価された耐震性能を維持できなくなる可能性があります。そして、この湿気の発生に深く関わるのが、断熱・気密の施工精度です。

壁の中で静かに進む「内部結露」が構造材を腐らせる仕組み

冬の寒い日に窓ガラスにびっしりと付着した結露と、その向こうに見える雪景色と温かみのある北欧モダンな室内

結露と聞くと、冬の朝に窓ガラスが曇る現象を思い浮かべる方が多いかもしれません。窓の表面に生じるものは「表面結露」と呼ばれ、目に見えるため対処がしやすい側面があります。

問題は、壁の内部や床下で生じる「内部結露(壁内結露)」です。この現象は目に見えないまま進行するため、気づかないうちに構造材へのダメージが蓄積される点で注意が必要です。

内部結露が生じるメカニズムは次のとおりです。室内の暖かく湿った空気が壁の中へ入り込み、外側の冷たい部材に触れた際に温度が露点を下回ると、水蒸気が水滴となります。断熱材の施工精度が低く隙間がある場合や、気密性が不十分で室内の空気が壁の内部へ流入しやすい状態では、この現象が起きやすくなります。

国土技術政策総合研究所の技術資料「省エネと結露」においても、「高気密・高断熱が結露や躯体の劣化を未然に防ぐ」と明示されています。また「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」(2000年施行)は、結露に起因する構造材の瑕疵(欠陥)について、引渡しから10年以内の補修を施工者に義務付けており、断熱・気密施工の精度が法的責任の観点からも重要な要素であることが示されています。

床下の土台が腐ると、耐震性能はどう変わるか

建物の基礎部分と木材の接合部において、気密性を高めるために専用の気密テープやシーリング材を施した精密な施工

内部結露や床下への湿気侵入が継続すると、「土台」と呼ばれる部材が腐朽するリスクが高まります。土台とは、建物の最下部で柱を支え、建物の重さを基礎へ伝える木材のことです。

この部材の強度が低下すると、建設時に確保されていた耐震性能が発揮されにくくなる可能性があります。断定することは難しいですが、過去の大地震の被害調査においても、腐朽や蟻害が進んでいた建物で被害が大きかった事例が報告されており、構造材の健全性が耐震性能の前提条件になることは、建築技術上の知見として広く認識されています。

ここで、一つ考えてみてほしいことがあります。「わが家の床下は問題ない」と言い切れる根拠は何でしょうか。目に見えない場所だからこそ、定期的な点検と記録が判断の根拠になります。

断熱・気密・耐震は「別の性能」ではなく連動している

配管の貫通部分に気密テープを何重にも巻き付け、隙間を完全に塞いで住宅の気密性能を確保する細部の施工の様子

断熱、気密、耐震という三つの性能は、それぞれ独立したものとして扱われることも多いですが、実際には連動しています。以下の表で整理します。

 

要素問題が生じると問題が生じると
断熱性能の不足壁内で温度差が大きくなる内部結露が生じやすくなる
気密性能の不足室内の湿気が壁の中へ入り込む結露・腐朽のリスクが高まる
床下の湿気管理土台の木材が腐朽する耐震性能が徐々に変化する可能性がある

 

重要なのは、これらが複合的に作用するという点です。断熱材が正確に施工されていても、気密処理に隙間があれば湿気の侵入路になりえます。逆に、気密性能が高く維持されていれば、室内の湿った空気を壁の内部へ入り込ませにくくなります。断熱と気密は、それぞれ単独ではなくセットで機能する性能です。

よくある誤解として、「断熱は省エネのための性能」「気密は空気の話」と別々に捉えることがあります。しかし、どちらも構造材の湿気管理、ひいては耐震性能の長期的な維持に関わっています。

断熱・気密の施工精度を全棟で実測する理由

現場発泡ウレタンと気密測定による品質の確認

木造住宅の壁体内に、隙間なく均一に吹き付けられた発泡ウレタン断熱材の施工状況

パーソナルスタイルでは、断熱性能と気密性能を「快適性のためだけの指標」とは捉えていません。構造材の健全性を長期間維持するための条件として位置付け、施工精度の管理に取り組んでいます。具体的には、UA値(断熱性能の指標)0.46W/㎡・K以下、C値(気密性能の指標)0.3㎠/㎡以下を社内の最低基準として定め、全棟で気密測定を実施しています。

設計上の数値を目標として設定するだけでなく、実際の現場で計測して確認するという工程を組み込んでいるのは、「設計値が現場でも再現されているか」を客観的に確認するためです。

断熱材には現場発泡ウレタン断熱材「ダルトフォーム」を採用しています。
吹き付け工法により躯体に密着させることで、充填後に隙間が生じにくい施工が可能です。また、第三者検査機関「株式会社家守り」による断熱材施工検査も工程に含まれており、社内チェックに加えて外部の視点から施工の確認を行っています。

現場を担当する今泉は、施工時の意識についてこう話しています。「気密は数値を出すことより、現場でどう施工するかがすべてです。一か所でも隙間があれば、そこから湿気が入る経路になります。だから検査の工程を省くことはできません。」

さいたま市を中心に川口市・蕨市・越谷市などで施工する住宅についても、この基準と工程は全棟で共通して適用されています。

建築中の住宅内部で、ヘルメットを被った現場監督と工務店スタッフが、床下構造や施工状況を一緒に確認している様子

新築時の性能を長期間維持するために、定期点検が果たす役割

工務店スタッフが引渡し後も住まいを定期的に細部まで点検している様子

どれほど精度の高い施工を行っても、住宅は時間の経過とともに変化します。大切なのは、その変化を適切なタイミングで把握し、必要な対処を行うことです。

パーソナルスタイルでは、お引渡し後に3か月・6か月・1年・2年・5年・10年・15年・20年・25年の無償点検を実施しています。点検項目には、床下や構造に関わる部位も含まれます。長期保証は最長60年まで対応しており、点検とメンテナンスを重ねることで保証を延長していく体制をとっています。

床下の土台や構造材の状態は、生活している限り目に触れる機会がほとんどありません。定期点検は、見えない部分の変化を記録として残し、「問題があれば早期に対処できる」という判断の根拠を積み重ねていく仕組みです。

点検の記録と専門家の目を継続的に持つことが、住まいの安全を長く維持するための現実的な手段です。

【まとめ】断熱・気密の施工精度が耐震性能の長期維持に関わる理由

吹き抜けから見下ろした開放的なリビングダイニングで、資料を広げて家づくりの打ち合わせを行う夫婦とスタッフの様子

断熱・気密の性能が不十分な住宅は内部結露が生じやすく、構造材の腐朽を通じて、新築時に確保した耐震性能が徐々に変化するリスクがあると考えられます。建設時の等級だけでなく、施工精度の確認と建後の点検管理が、住まいの長期的な安全に直結します。


・断熱・気密の施工精度が不十分な場合、壁内や床下で内部結露が発生しやすくなるため

・土台など主要構造材の腐朽が進むと、設計時の耐震性能が維持されにくくなる可能性があるため

・全棟での気密実測と複数回にわたる第三者検査が、施工精度の確認手段として機能するため


「建てた時点の性能を、住み続ける中でどう維持するか」という視点が、長く安心して暮らせる住まいの条件の一つです。疑問や確認したい点がある場合は、専門家に整理してもらう機会を持つことをお勧めします。個別相談や構造見学会では、こうしたテーマについても確認していただける場を設けています。

パーソナルスタイルの施工エリアについて

パーソナルスタイルは、さいたま市を中心に川口市、蕨市、越谷市、春日部市、上尾市、北本市、八潮市を主な施工エリアとしております。事務所から車で1時間圏内を目安にエリアを設定しており、引渡し後の点検や急なご相談にも迅速に対応できる体制を整えています。「建てて終わり」ではなく、住まいの状態を長期間にわたって確認し続ける地域密着の工務店として、お客様の住まいを見守り続けます。

上記エリア以外につきましては、弊社担当までご確認ください。

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